自らやるか?嫌々やるか?〜圧倒的な差が生まれる理由〜
普段、塾で生徒と接していて、
勉強に対して、プラスのイメージを持って(意欲的だったり、楽しいと感じて)自ら取り組んでいく子と、
マイナスのイメージを持って(やる気があまりなかったり、やりたくないと思って)嫌々取り組む子がいます。
この両者は、同じ勉強をやったとしても圧倒的な差が生まれます。
これは塾で指導をしてきた経験上、
やる気がある子は成績が上がるし、やる気がない子は成績が上がらないというのは割と普通のことのように感じます。
でも、どうやらそれを裏付ける脳の仕組みがあるようです。
プラスのイメージを持って意欲的に能動的に勉強に取り組めば、
脳から快楽物質である「ドーパミン」が分泌されます。
「ドーパミン」は、人に快感を与える脳内物質です。
これが分泌されると、幸福感を感じ、集中力、モチベーション、記憶力が高まります。しかも、ドーパミンが分泌されることで、やっていることが楽しいと思えるので、継続しやすいし、結果にも当然つながっていきます。
これはプラスでしかないですよね。
それに対して、マイナスなイメージを持って嫌々やる勉強では、
脳からストレスホルモンである「コルチゾール」が分泌されます。
「コルチゾール」は人に不快な感情を起こさせる脳内物質です。
これが分泌されると、なんと記憶の司令塔とも言われる海馬(短期記憶から長期記憶への移行する役割をする脳の器官)の神経細胞を破壊し、萎縮させてしまいます。
つまり、「思考力」や「記憶力」を低下させてしまうのです。
さらに、モチベーションも低下させ、これが進んだ先にはうつ病のリスクも考えられます。
マイナス面がとても大きいですよね。
だから、いくら勉強しても、ストレスを感じながら嫌々取り組むと、
効果が上がらないのはここに原因があります。
そして、この両者が同じ授業を受け、
同じ宿題に取り組んでも圧倒的な差が生まれてしまうのも、
こういった脳の仕組みの観点からも明らかです。
これは、なかなか根が深い問題です。
私たちも勉強に対してマイナスなイメージを持っている子に対して、
プラスのイメージを持てるようにしていかなければなりません。
でも、特効薬のようなものは正直ないというのが現状です。
だから日々、時間をかけて少しでも勉強に対してプラスに感じられるような声がけ・接し方・指導をしていくことは重要だと思っています。
そして、生徒自身も勉強に対して、「前向きな気持ち」「プラスのイメージ」を持って取り組むことがとても大切になっていきます。(塾に入るタイミングもやはり、本人が「勉強を頑張りたい」と思ったタイミングがベストです。)
このようなことを踏まえ、一筋縄ではいかない問題ですが、
脳の仕組みも踏まえ、「どうすれば自ら勉強に対して取り組めるか?」ということを私たち自身も考え、日々生徒と接していきたいと思います。
天野