家での勉強はダラダラしてしまう!? 〜観察者効果とは〜

よく生徒から
「家で勉強できないんですよ。」
「ダラダラしてしまうんですよ。」

こういった声をよく聞きます。

でも、これって割と普通じゃないですか?
(もちろん、家でもしっかり勉強できる人もいます。そして、受験生にもなれば、家でもしっかり勉強できなければ厳しいです。)

家は誘惑が多いし、ダラダラ過ごしてしまうという気持ちはとても分かります。
でも、その人は決してずっとダラダラした性格という訳ではなく、塾に来ればしっかり集中して取り組むことができます。

なぜ、こんな違いが出るのでしょうか?

今回はこれを裏付ける「観察者効果」という現象があります。

誰かに見られている状況で、人の心理や行動が変わることを観察者効果という。

認知バイアス事典(情報文化研究所 著)

これ何となく分かりますよね。

学校の先生が授業参観で、いつもより気合い入れて授業してしまう。
授業中に先生が机間巡視をしてきて、集中して問題に取り組もうとしてしまう。
好きな子に見られて、良いところ見せようと余計に張り切ってしまう。

これは完全に「観察者効果」ですよね。
誰かに見られることで、明らかに心理や行動は変化します。

そして、それを示すこんな実験がありました。

アメリカのイリノイ州にあるホーソン工場で、労働者の生産性を向上させるための条件を探る実験が行われた。このときの1つに、照明の明るさをさまざまに変えて生産性との関係が調査された。結果、すべての光量で生産性が同じくらい上昇したのである。照明を暗くしても、休憩時間や給与を悪いほうに変更しても生産性は向上した(Bloombaum, 1983)。
なぜかはもうおわかりだろう。労働者は、実験の調査員に見られているために真剣に仕事に取り組んだのだ。

認知バイアス事典(情報文化研究所 著)

こういうことなんです。
実験の調査員に見られていたため、「期待に応えよう」とか、「よく見せよう」という心理が働き、休憩時間や給与を悪い条件にも関わらず、生産性が向上してしまったのです。

なかなか面白いですね。

この「観察者効果」というものをうまく活用していきたいものです。

家で一人でなかなか勉強できないなら、
積極的に塾という環境を利用するもは多いにありだと思います。

塾に行けば、先生がいる、同じように勉強している同級生もいる、先輩や後輩もいる。

そんな環境であれば、家にいる時よりも断然「しっかりやらないと」という気持ちが働きますし、その分集中してやれますよね。

私も、家で仕事をしようとすると、
全く実が入らなかったり、仕事モードになるのに時間がかかったりします。

そういう時は、あえてカフェにいきます。その方が圧倒的に捗ります。

そんな意識しているつもりはないですが、
他のお客さんや店員さんの視線を少なからず意識してしまっているはずです。

だから、いつも以上に集中して取り組んでいます。

これは完全に「観察者効果」です。
こういった効果を上手に取り入れて、自分にとってより良いより環境を作っていけると良いですね。

それでは。

天野

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