スマホは記憶力の低下につながる〜グーグル効果とは?〜

スマホが普及し始めて10年以上が経ちました。
今では私たちの生活になくてはならない存在になっています。

何か分からない言葉があれば、すぐに検索できるので非常に便利です。

ただ、「『すぐ調べる』ということが、『思考力』や『記憶力』を弱めているのではないか?」ということを薄々感じていました。

確かに、何でも記憶する必要はないですが、
「自分の頭で考えて、それが何かを自分なりに答えを出すこと」「文脈の中から言葉の意味を類推すること」「覚えるべきことは自分の頭の中に知識として入れておくこと」など、
こういったことがとても大切だと思っています。

何でもスマホに頼って、これらを蔑ろにしてしまっては、
自分自身の力をどんどん弱めてしまってるように感じていました。

そこで「グーグル効果」のお話です。これが非常に興味深かったです。
これはいったい何か?

情報がパソコンやスマホの中に保存されていると考えると、人間は無意識のうちに進んでこれらを覚えようとしなくなる傾向です。

認知バイアス事典(情報文化研究所 著)

こういった傾向があるそうです。
記憶をするということは、かなりのエネルギーを消費します。

だから、情報がパソコンやスマホの中に保存されていると考えれば、エネルギーを節約するために、覚えようとしないというのは脳のメカニズムとしては普通のことのようです。

そんな「グーグル効果」を示した実験がこちらです。

被験者は複数の文章を読み、その内容を記憶しなければならないと伝えられる。
試験の前に、ある被験者群にはこの文章がパソコン上に保存されると伝え、別の被験者群には削除されることを伝えた。
その後、どれくらい文章を記憶しているか試験を行った(Sparrow et al., 2011)。

すると、パソコンに保存されると伝えられた側の被験者のほうが記憶できた内容が少ないことがわかった。

認知バイアス事典(情報文化研究所 著)

こういうことだったのか。非常に腑に落ちた内容でした。

保存してあると思っているだけで、記憶できる量が減ってしまうのです。
だから、いつでもパソコンやスマホに頼れる環境というのは、私たち人間の「記憶力」を奪ってしまうのです。

これは様々な場面で起こり得ます。
例えば、YouTubeライブやzoom会議などで、「アーカイブを残します。」と言われれば、内容を理解しようという気持ちが薄れます。

反対に、「アーカイブは残しません。」と言われると、集中して視聴したり、参加しようとしますよね。

そして、これは勉強においても応用できる考え方だと思います。

分からない問題があった時に、何も書かず空欄にして、すぐ「答え合わせ」をする。これは、すぐにスマホで検索してしまうことに近い気がします。

そうではなく、分からない問題でも、自分なりにじっくり考えて、答えを出してから、「答え合わせ」をする。やはり自分で思考しているので、記憶できるし理解も深まりそうです。

まとめると、
「グーグル効果」があるということを踏まえ、
すぐにスマホやパソコンで何でも解決しようとすると「記憶力」の低下につながる。だから、まず自分の頭で考え、それが何か答えを出してから、活用するのが良いのではないでしょうか?
(もちろんケースバイケースですが)

それが「思考力」や「記憶力」にもつながると思います。
天野

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