【中3国語】教科書『握手』完全解説|あらすじ・テーマ・定期テストによく出るポイント

中3国語『握手』(井上ひさし)完全解説 - ユニバースクール

中学3年生の1学期、定期テストの国語の範囲に『握手』が入っている学校が多くあります

宮崎中・宮前平中・向丘中をはじめ、神奈川県の多くの中学校で扱われる定番作品の一つ。

「あらすじはなんとなく分かったけど、何を問われるかピンとこない」
「ルロイ修道士って、結局どんな人?」
「ラストの『指を打ち付ける』場面の意味が分からない…」

そんな中学3年生・保護者の方に向けて、今日は『握手』の——

  • あらすじ
  • 主な登場人物と人物像
  • 主題(テーマ)
  • 定期テストでよく出るポイント

を、まとめて解説します。


目次

作品データ

項目内容
作品名握手
作者井上ひさし(1934〜2010)
掲載教科書光村図書『国語3』
ジャンル短編小説(回想形式)
舞台現在の東京・上野 / かつての天使園(児童養護施設)

井上ひさしは、戦後日本を代表する小説家・劇作家。本作『握手』は、ユーモアの中に深い問いかけを含む短編の代表作です。


あらすじ

物語は、「わたし」がホテルのロビーでルロイ修道士と久しぶりに再会するところから始まります。

「わたし」はかつて、戦中・戦後の食糧難の時代に、ルロイ修道士が運営するカトリックの児童養護施設「天使園」で少年時代を過ごしました。

ルロイ修道士は、痩せ細った姿で現れます。体を悪くしており、これから日本各地を巡って、かつての教え子たちに最後の挨拶をして回るのだと言うのです。

二人は、上野公園での花見の場面など、天使園での日々を語り合います。ルロイ修道士の口癖、独特の「指言葉」、戦時中に「アメリカ人の鬼」と呼ばれて差別された経験——「わたし」は、これらを懐かしく思い出します。

別れ際、ルロイ修道士は「わたし」と力強く握手を交わします。その握手の感触に、「わたし」はもう二度と会えないかもしれないという予感を持ちます。

数ヶ月後、ルロイ修道士の訃報が「わたし」のもとに届きます。「わたし」は、ルロイ修道士の指言葉を思い出し、右の人さし指を中指に激しく打ちつけるのでした。


主な登場人物

ルロイ修道士

  • カナダ出身のカトリック修道士
  • 天使園(児童養護施設)の運営者
  • 太い指、力強い握手が特徴
  • 戦時中は「アメリカ人の鬼」と呼ばれて差別されたが、子どもたちを愛し続けた
  • 独自の「指言葉」を持つ(後述)
  • 厳しさと優しさを併せ持つ
  • 物語の現在時点では、病気で余命が短い

わたし(語り手)

  • ルロイ修道士の元教え子
  • 戦中・戦後に天使園で過ごした
  • 今は成人し、社会で生きている

ルロイ修道士の「指言葉」を覚えよう(テスト必出!)

ルロイ修道士の最大の特徴が、独特の「指言葉」。これはほぼ確実にテストに出るポイントです。

指言葉意味
親指を立てる「よし!」「上出来!」「OK!」
人さし指を立てる「注意せよ!」「危ない!」
平手をぐっと打ちつける「これは実にすばらしい!」「痛快だ!」
人さし指を中指にぶつける「うーん、困ったぞ」「もどかしい」

ラストシーンで「わたし」が右の人さし指を中指に激しく打ちつける——これは、ルロイ修道士の死を受け止めきれない、悲しみと無念の感情を表しています。


主題(テーマ)

① 命の有限さと、人とのつながり

ルロイ修道士は、自分の死を受け入れながら、最後の挨拶巡りをしています。「わたし」も、再会したルロイ修道士との時間が限られていることを感じ取ります。

命には限りがある。だからこそ、人とのつながりは尊い——そんな静かなメッセージが流れています。

② 戦争と異文化への眼差し

ルロイ修道士は、戦時中「アメリカ人の鬼」と呼ばれて迫害されました(実際はカナダ人ですが、敵国扱いされた)。それでも、彼は日本の子どもたちを愛し、守り続けました。

戦争という時代の暴力に対して、個人としての温かい関わりがどれほど大切か——という問いが、作品の根底に流れています。

③ 真摯に生きる、ということ

ルロイ修道士の生き方は、不器用なまでに真っ直ぐです。力強い握手、独特の指言葉、厳しさの中にある温かさ。人としてどう生きるかを、ルロイ修道士の姿から「わたし」は学んでいきます。


定期テストによく出るポイント

出題ポイント① 指言葉の意味を答えなさい

上の表を覚えておきましょう。4つすべて押さえること

出題ポイント② ルロイ修道士はどんな人物か、説明しなさい

「厳しさと優しさを兼ね備えた」「戦時中の差別を乗り越え、子どもたちを愛し続けた」「太い指、力強い握手」などのキーワードを盛り込む。

出題ポイント③ 「アメリカ人の鬼」と呼ばれた背景

第二次世界大戦中、敵国の人間と見なされて差別を受けた、という時代背景。「カナダ人だが、当時は西洋人=敵国とひとくくりにされていた」というニュアンスも押さえる。

出題ポイント④ ラストの「右の人さし指を中指に打ちつける」の意味

  • 「うーん、困ったぞ」という指言葉
  • ルロイ修道士の死を受け止めきれない、もどかしさ・悲しみの心情
  • ルロイ修道士の指言葉を真似ることで、彼との心のつながりを保とうとしている

出題ポイント⑤ ルロイ修道士の「握手」が表すもの

  • 本気の別れ」を伝えるもの
  • 形式的な挨拶ではなく、相手の生き方そのものを受け止めて送り出す行為
  • 「これが最後の別れになるかもしれない」という覚悟が込められている

出題ポイント⑥ 物語の構造(現在と過去の往復)

「現在の再会場面」と「過去の天使園の回想」を交互に行き来する構造
この回想形式によって、ルロイ修道士の人物像が立体的に浮かび上がる。


テスト対策のコツ

押さえるべき優先順位

  1. 指言葉4つ(配点高い)
  2. ルロイ修道士の人物像(記述問題)
  3. ラストシーンの心情(記述問題)
  4. 作品全体のテーマ(まとめ問題)

効果的な勉強法

  • 教科書の本文を3回音読する(物語の流れを掴む)
  • 線が引いてある場所(=授業で先生が強調した場所)を覚える
  • 記述問題の練習(ワークの問題を実際に書いてみる)
  • 40字、80字など指定字数で書ける練習

「答えを覚える」より、「自分の言葉で語れる」ことが、応用問題にも対応できる強さになります。


ユニバースクールの国語対策

ユニバースクールでは、中学生の国語が得点源になるよう、読解の「型」から徹底指導しています。

  • 物語文の人物像の捉え方
  • 心情の根拠を本文から探す力
  • 記述問題の答え方(指定字数・キーワードの入れ方)
  • 教科書の各単元の出題傾向分析

「国語の勉強の仕方が分からない…」
「読解問題でいつも点を落とす…」

そんなお子さんに、しっかり対応します。


まとめ

ポイント内容
作者井上ひさし
主人公「わたし」と、ルロイ修道士
構造現在の再会と、過去の天使園の回想を往復
指言葉4種類(親指/人さし指/平手/中指打ち)を必ず覚える
主題命の有限さ、人とのつながり、戦争と異文化
定期テスト頻出指言葉・ルロイ修道士の人物像・ラストの心情

『握手』は、シンプルな短編に見えて、深い問いかけが含まれた名作です。

中学3年生の1学期、この作品を通じて「人と人がつながるとは、どういうことか」を考えるきっかけになれば、テストの点数を超えた価値があると、私たちは思っています。

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